ディジタル無線通信

無線通信

古川研究室では、ディジタル信号処理の技術を電波が伝搬中に受ける影響の推定、その抑圧手法に応用する研究を行っています。

MIMO-OFDMの図

特に、第4世代でも用いられており、また2020年サービス提供開始予定の第5世代無線通信システムでも用いられるであろう直交周波数分割多重方式(OFDM方式)と多重アンテナ通信(MIMO方式)を対象にして、より大容量の無線通信システムの構築を目指しています。

この実現のため、古川研究室無線通信グループでは,

  • モデルに基づく伝送路推定法
  • ブラインド信号処理

の理論を基礎としています。

携帯電話に代表される無線通信機器では、送りたい情報を“電波”に乗せて相手に情報を伝えます。

電波は目には見えませんが、私たちが生活している空間を絶えず行き交っています。電波は基本的には直進しますが障害物に当たると反射し、また狭い空間には回り込みながら受信者に届きます。

その際、反射や回り込みの影響により電波に乗っていた情報が劣化してしまいます。そこで電波の通り道の様子を調べ(伝送路推定)をし、劣化してしまった情報を元の情報に復元(等化)する必要があります。

反射と回折

伝送路の影響を推定するために、“電波の通り道はこうなっているであろう”という予想を立てる“モデルに基づく伝送路推定”と呼ばれる手法があります。

実際にその予想が正しいかどうかを判断するために、トレーニング信号と呼ばれる、送受信機で既知の信号を使って答え合わせをします。間違っていれば予想を変更し、正しければその予想を使い続けます。

トレーニング信号の利用は伝送路推定を容易にする反面、伝送効率を低下させます。

第5世代通信では、通信容量を増大させるため、より多くのアンテナを用いることが検討されていますが、伝送路の推定を行うため、1つのアンテナからトレーニング信号を送信する場合、他のアンテナからの出力を0にしなければなりません。

したがって、今後、アンテナ数を増やしていく場合、トレーニング信号を用いることによる、情報のロスはより深刻になると考えられます。

そのため、古川研究室では、トレーニング信号を使わない、“ブラインド推定手法”の研究も行っています。

ブラインド信号処理の分野では、多くの手法が提案されており、どの手法が最も優れているかは一概には言えません。

古川研究室ではこれらの手法を、無線通信のモデルにうまく適合するよう、改良し、より大容量の通信系の実現を図っています。